自転車でやせるワケ/松本整

自転車でやせるワケ 身体にやさしく、効率的に脂肪燃焼できる理由とは!? /松本整(サイエンス・アイ新書 71)
作者は元競輪選手。2004年、45歳でG1優勝(高松宮記念杯)したというスポーツ紙の記事は目にした記憶がある。
新書版サイズ。見開きで一テーマ。カラーのイラスト入り。とっつき易い書き方。
最初はダイエットを主眼にした体組成などの専門的な話。次に「ママチャリで有酸素」と入口のハードルを低くし、ウォーミングアップやストレッチの話。この辺をみると、対象としているのは、「自転車でダイエットできるのぉ?」という自転車初心者の人達という感じではある。
面白くなるのは、最初は、ママチャリから始めた人が、やがてロードレーサーを買うという想定の元、語られる「自転車で使う筋肉を鍛える方法」。それを更にステップアップさせた「サーキット・トレーニング」の紹介。まじめに、このメニューをこなせれば、相当、鍛えられるだろうなと思いつつ、自分は、ちょっと試しにやってみただけ。
最後の「自転車で早く長く楽に走る」が愁眉で、ペダリングスキルの話や筋肉の協調運動の話は、ナルホド、と思った。ペアリングスキルについては、やみくもに踏み込めば良いというのではなく「回す」ペダリングとはどういう事かを、クランクに対して発揮される力の方向という見方を使い判り易く説明している。で、更に、そういう効率的なペダリングをする為には、具体的にどうトレーニングすれば良いかといった詳細までは語られず。簡単には書けないのかも。ペダリング矯正ギア(ジニアスフィーリング)を使った科学的なトレーニングプログラムを行った、という事であるが。
筋肉の協調運動については、ハムストリングス・ブリッジと壁ランジの動きをやってみて、ハムストリングス、臀筋、背中の筋肉を同時に使う感覚は目からウロコ。
おかげで、普段の自転車の乗り方も、どちらかというと、あんまり考えないでやっていた方だったのが、少しは頭を使うようになってきた。

  • 信号が変わってスタートするときに、動かすべき筋肉を一気に連動させてダッシュを効かせる。
  • 上り坂では腕を引き付ける方向とそれを受け止める背中や腹の筋肉を意識する
  • ペダルを回す時も、力の効率的な入れ方を考える。

ま、試行錯誤ではあるのだけれど。一人、悦にいって、なかなか、上手くなってきたんじゃないと思った次の瞬間、すいっと、後方から速いロードレーサーがやってきて、あっさり抜かれてしまったり。ま、それぞれのレベルがあるからね。あくまでマイペースで上手になっていけばいいや。

「鉄人疾走」松本整オフィシャルサイト