ATLAS OF THE CATS BLAIN

日本科学未来館をぶらぶらしたら、ネコの脳地図があった。化学物質で染められたネコの脳の断面が、複数の色で描かれた樹状突起が絶妙に折り重なった形に描かれている。レントゲン画像のような純粋な科学的測定結果図にすぎないのだけれど、じっと見ていると、まるで現代アートのよう。額に入れて飾っておいても様になりそうな。

説明文を読むと、脳を染める方法には現状、三つあるのだという。染める方法によって、染まる部位が違う。目的によって使い分けるらしい。

  • ワイゲルト染色法
    • 軸索を包む髄鞘が染まる
  • ゴルジ法
  • ニッスル法
    • 細胞体の輪郭と核が染まる

で、僕が心を打たれた猫の脳アトラスマップ、1988(C) H.MANNEN / ATLAS OF THE CATS BLAINという奴は、ゴルジ法で染められているようだ。良く見ると色は七色あって、なんだ、単純にRGBとCMY、そして、DY(ダークイエロー)と、パソコンのプリンターのインクの色そのままが出力されているようだ。ほんと、原理は単純に、ただ、写し出されただけのものが、之ほどまでに、美しいのは、感動的だ。図であって絵ではないのに、「意思」が込められているかのよう。

でも、このコーナー、あまり人気がないらしい。自分が来た時は誰もいなかったし、随分、長い事、自分がじーっと眺めている間も、たまに、他に来たかと思うと、一瞥して、すぐに歩き去っていってしまう。帰り、ミュージアムショップで絵葉書はないかなと探してみたけれど、見つからなかった。