自転車少年記/竹内 真

図書館の棚でふと、背拍子のタイトルが目に入った。ぱっと開いた中程のページと冒頭をちょっと読んでみて面白かったから借りた。読み易い。冒頭にちょっとした事件が起きて引き込まれる。そのまま一気に気持ちよく読了。「新潮社ケータイ文庫」で45万アクセスを記録した話題作だったらしい。

自転車少年記/竹内 真

小学校に入る前の千葉の少年達が自転車にはまって、友情、仲間、恋がちょっと男の子目線で語られていく。女の人が読むとどうかな。一応、主人公達の相手として魅力的な女性達が登場してはいるけれど。
大学生になった登場人物が八王子から行先も決めずに、甲州街道を西へ走っていく。高尾の先、大垂水峠を越えて相模湖、更に、笹子、山梨、諏訪。丁度、自分が実際に走った事のある場所と走ってやろうと思っている所と重なるので、ちょっぴり親近感。
ただ、何か問題を抱えて悩んでいる時に自転車で旅に出れば答えが見つかる、みたいな事は、少なくとも自分の場合はない。ただ、走っている時は走っている事しか考えない。余計な現実の生活の問題から一旦、離れて、走り自体に集中する事がいい気分転換になっている気がする。これって、自分だけかな?ただ、時に、現実に触発されて、訳もなく走りたい衝動に駆られる部分は、とても共感できる。
他に文庫本で同じタイトルで番外編が語られているらしい。スペシャルドラマ化されたものもあるらしい。その内、チェックみたくなるのも、読後感が爽やかで良かったから。ただ、同じ著者の別の小説はともかく、ドラマ化したものは、当たりか外れかちょっとギャンブルかもしれないと思う。

自転車少年記―あの風の中へ (新潮文庫)
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