奥多摩鋸山林道。熊と土砂崩れ。

午後から天気が崩れそう。朝、早目に出発。本当は、暗いうちから出発したかったのだが、流石にそこまで早起きは出来なかった。
チャリンコ少年だった中学生の頃、住んでいた杉並から青梅まで三時間、そこから奥多摩まで一時間の見当だった。それからxx年後の自分はその記録を更新できるや否や。
結果。新宿淀橋から青梅まで2時間19分。青梅から奥多摩まで52分40秒。青梅までの平坦コースではかつての約2/3の所要時間。その先、奥多摩までの多少、上り坂基調になるとさして変わらず。まぁ、こんなものか。
平坦部でのタイム短縮は、まがりなりにも、何十年(ちょっと大げさ)、自転車に乗り続けて(街乗りばかりだけれど)、乗り方のスキルが上達しているせい・・・だと思いたい。ただ、自転車がましになったせい(「なんちゃってクロスバイク」)かも知れないが。
純粋にかつて中学生時代の自分と体力勝負したら、どうかな。結構、良い勝負だと思うんだけど。でも、既にこの時点で、何だか太股の下側が痛くなりそうな感じになのは、やはり、衰えてるという事か。もうちょっと鍛えて、改めて、中学生時代の自分にチャレンジしよう。

奥多摩駅手前の奥多摩ビジターセンターに寄ったら、クマ出没情報。今年になって、数回、目撃情報がある。怪我した人もいるらしい。
帰ってネットで検索したら、奥多摩在住の登山家、山野井泰史さんが出会い頭にクマに襲われたとのニュース。大怪我して青梅市内の病院に搬送された由。うーむ。山のベテランの登山家にして、避ける術がないとは。恐るべし。奥多摩のクマ。野生動物は、こちら側から何もしなければ、向こうから、敢えて仕掛けてくる筈はないという思い込みは、最早、全く通用しないとみえる。
奥多摩駅から数分で、鋸山林道入口。土砂崩れで通行止の案内がある。まぁ、行ける所まで行って、駄目なら引き返してこようと、じりじり上る。最初は時速10km出てたけれど、すぐに時速7km、やがて時速6km、そして時速5kmと、徐々にスピードダウン。じりじりと上っていく。額から垂れてきた汗を舐めてみるとしょっぱい。でも、気持ちにはまだ、余裕がある。
崖の上から何かの物音。すわっ、熊!?。単なる落石だったよう。本当に、熊が出てきたら、どうしよう。静かにやり過ごせるのが一番。追い駆けられたら逃げるしかない。上から来たら全速力で下れば、何とか振り切れるだろう。でも、下からきたら?。この上り坂で追い駆けてくる熊を振り切るスピードが出せるだろうか。火事場の馬鹿力がどこまで通用するか等々、考えつつ、じりじり上っていったら、熊除けの鈴を鳴らしながら登山者が下山してきた。
更に進み、ちょっと、展望が開けてきたら、まだ行く手の林道が遙か上まで続いているのを観て、一瞬、気持ちが切れ、小休止。
植林跡。

麓から45分程の所で、遂に、土砂崩れ現場へ。通行止もむべなるかな。林道が完全に塞がっている。ちょっと徒歩で土砂の山を越えてみて、しばし思案。結局、自転車を担いで越す。バランスを崩すと惨事は免れない。緊張した。

土砂崩れ現場を越えてから15分少々で大ダワ峠到着。太股付け根が両側ともちょっと張った感じで痛い。休憩。
結構、マイナーな道だろうと思ったが、大ダワ峠では、何人ものハイキング客や、更に、檜原村側から上ってきたサイクリストと出会う。一人はゴツいマウンテンバイク。一人はスマートなロードバイク。初対面なのに、何となく親しく会話する。わざわざ、こんな所まで汗かきながらやってきた者同士という気持ちが働くのだろうか。こちらのみすぼらしい自転車は見ない振りをして・・・くれてたのかな。
中学生の頃、ここに来た時は、もっと閑散としていて、ハイキング客に一人、会うかどうか、といった感じだった。今は立派なトイレもある。屋根に太陽光発電パネル。

檜原村側へ下る。上ってくるサイクリスト達とすれ違う。お互い自然に軽く挨拶を交わす。
あっと言う間に下って、神戸岩(かのと)手前の神戸トンネル。中は完全にまっくら。トンネル中程で曲がっている為、出口からの光も見えず、全く視界が利かない。ちょっと怖い。

更に下って、檜原村。集落の雰囲気がちょいと良い。過疎の村で高齢者率も高いだろうに、少なくとも、見える所は、とても手入れがされている感じ。玉石の塀が綺麗。今度、こちら側からも訪ねてみるのも面白そう。
檜原村地域交流センターはなかなか立派な木組み。檜原村に魅せられて、足繁く通った人の写真展と版画展をやってた。「森の学校」体験教室と称して、こんにゃく・そば・味噌作り、ワサビ漬け、草木染め体験教室等を開催しているよう。対象は観光で檜原村を訪れる都会の人たちなのだろうな。中には面白そうなのもあるけれど、普通の人は、ここまで来るのは大変だ。それも含めて楽しむ趣向でないと。

天候の悪化と競争するかのように、五日市街道をひたすら忠実に戻る。杉並区内の五日市街道に入ると、既に知った道。空腹を意識する。タンメンと餃子が食べたい。塩分と蛋白質補給を補給したい欲求。通りすがりの焼き鳥屋さんが美味しそう。でも、結局、五日市街道を全走破した後、高円寺陸橋近くの味噌ラーメン屋にした。煮卵をトッピングする。
店員さん同士が、今日の競馬の話題をしている。スプリンターズS(GI)である。「岩田騎手は、絶対、三着は外さないと思ったから云々」。あ、帰ってからビデオで確認しようと思ってるんだから、それ以上、結果を言わないでくれ。と思いながら、ラーメンを全部、平らげた。汁まで飲んだ。
本日、飲んだ水の量は1.7L(ラーメン屋に到着するまで)。夏の盛りは2Lでも足りなかったのだから、やっぱり、秋は違う。

追記:熊を避けるには、熊が冬眠している時期にいけばいいのだと閃いた。でも、寒い時期は、自分もぬくぬく冬眠していたいのだった。
[本日の走行コース]
淀橋〜高円寺陸橋〜荻窪〜青梅街道〜田無〜東大和〜瑞穂〜青梅
43.19km 2:19:03
青梅〜古里〜御岳〜川井〜鳩ノ巣〜白丸〜奥多摩駅
20.33km 0:52:40
奥多摩駅〜鋸山林道〜大ダワ
7.77km 1:05:40
大ダワ〜鋸山林道〜神戸岩〜檜原村〜武蔵五日市
20.44km 0:59:24
武蔵五日市〜五日市街道〜多摩橋〜牛浜横田基地〜R16〜五日市街道〜砂川〜小平〜多摩湖自転車道路基点
30.62km 1:30:44
多摩湖自転車道路基点〜五日市街道〜武蔵野大学成蹊大学〜杉並成田東〜高円寺陸橋〜中野坂上〜淀橋
14.59km 0:55:05

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