金沢林道〜杖突峠

信州八ヶ岳山麓に宿を取って二日目。
朝、地図を見ながら、よし、昨日上った杖突峠に別のルートでアプローチしてやろうと選んだのが中央線青柳駅そばから上っていく金沢林道。
未舗装のダート。踏み込むとタイヤがすべる。ありゃりゃ。
マイナーなルートを選んだつもりで、静かなツーリングを期待していた。しかし、結構、頻繁に、ゴツイタイヤのオートバイが、エンジン音を響かせながらやってきては追い抜いていく。
じりじり上りながら、時折、眺望が開ける所に出て、振り返れば八ヶ岳西麓が一望。
尾根近くの峠に出た頃には、静かに、走る。斜度がゆるやかになり尾根筋を走る感じ。

やがて、舗装道路へ合流する。

ほどなくして、ちょっと、広い所で、道が大きくカーブした隅に「金沢峠」の由来が書いた看板。
江戸時代、高遠藩が参勤交代で江戸へ向かうのに、ここを通った由。
ちなみに私の地元、新宿は、その昔、甲州街道の一番目の宿場町で、内藤新宿と呼ばれていた。内藤家の下屋敷があったから内藤新宿。その内藤家とは高遠内藤家。
そうか、江戸時代の殿様はこの峠を越えて、はるばる私の地元、新宿まで、行列していったのかぁ。何となく、感慨深くなって、実際の金沢峠を見たくなった。この看板からちょっと入った所にあるらしい。脇の細い未舗装の道に入り込む。進むと、道は、完全なハイキングコースとなり、しかも、ガンガン茅野方面へ、下っていく。いかん、迷い込んでしまった。ええい、このまま、いっちゃおうかな、と一瞬思うが、かなり急なダートの下り坂。腕ががくがく。こりゃ、最後までもたないかも、と分別が働き、ギブアップ。引き返す。ガンガン降りた道を戻るには、押して上がる。

看板の所まで戻り、快適な舗装道路を行く。下りきって湖というか沼?に出る。千代田湖というらしい。ちょっとした隠れ家っぽい場所。秘境とまでは言わないけれど。湖をぐるっと回って、その先がゴルフ場。この敷地内の上り坂が結構、キツイ。しっかし、このゴルフ場も、なかなか、凄い所にあるなぁ。
やっとこさ、杖突峠へ。
昨日上ってきた道を、すいすいと下る。あっという間に下りきる。
神長官守矢史料館へ。限定された史料しかない、ごくごく小さな、地味な博物館。興味のない人には、物足りないかも。でも、特徴的なのは、その建物の有様。設計は藤森照信氏。昔、週刊朝日だったかに、建築探偵と題した連載を読んだ気がする。レトロな建築を訪ね歩くルポだった。元は建築史家の人だったと思うけれど、いつのまにか建築設計もするようになって。かなり、ちょっと独特。土と板の建物。近くには、木の上に誂えた茶室もあったりして。写真はデジカメのメモリーが一杯になったので撮らなかったけれど、恐らくは有名な人だから、検索すれば、見つかると思う。
諏訪大社上社本宮へ。無事、帰ってこれた挨拶。
諏訪博物館の無料足湯に浸かってしばし休憩。
その後は、また、昨日と同じ、今晩の宿までじりじりと上って帰った。
今日は、軽く走って戻ってくるつもりだったのに、結局、また、途中で日が暮れてしまった。

[本日の走行コース](一部)
青柳〜金沢林道〜峠
6.11km 1:00:56
峠〜林道猿ヶ入線〜林道千代田湖枯木線〜金沢峠〜千代田湖〜ゴルフ場〜杖突峠
6.00km 0:30:31
杖突峠〜神長官守矢史料館
8.81km 0:19:28
神長官守矢史料館〜諏訪大社上社本宮〜諏訪博物館〜茅野駅
5.07km 0:19:03

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