柴田敏雄展ランドスケープ

日曜の夜、競馬中継を見終わってから、自転車を恵比寿に走らす。明治通りの一部分、舗装したてでとても走りやすかった。三十分程で、恵比寿ガーデンプレイスに到着。北側に地下駐輪場がある。東京都写真美術館の脇。本日の目的は、

東京都写真美術館:ランドスケープ 柴田敏雄展

今日が最終日。恵比寿ーガデンプレイスという場所柄、気のせいかお客さんがみんなオシャレに見える。自分、浮いてるかも。
アメリカや日本の高速道路の夜の料金所の風景のモノクロ写真もあったけれど、興味深かったのは、山の中の土木工事跡を大判カメラで写した写真。斜面の崩壊を防ぐ為、表面をコンクリートで封じ込めてある。基本は網の目状だけれども、色んなバリエーションがある。その防護壁が斜面の形状に合わせてうねっている。傷痕のようであり、また、それ自体、生き物のようでもある。
この写真は、そんな人工物と自然との対比を写し取っているのだが、なんだか見ていると全体として一体となった一つの風景として成立しているようにも見える。
これは写真のプリントを見ているからこその印象だと思う。実際にその場に立てば、また違ったように感じる可能性はある。
ある作品の前で、ここ、何か見覚えがあると思って手元の資料を見たら「山梨県上野原市」。もしかしたら甲州街道かな。自分、すぐ近くを走っているかもしれない。
奥多摩湖のドラム缶橋があった。檜原村もある。自分に知っている風景を綺麗に作品にしてあるのを見て作者に一方的な親近感を抱く。この人きっと、旅が好きに違いない。1949年生まれ。
自分が普段、走りながら見ている風景も、こんな形で残せたらいいなと思う。別にアートにまでしようとは思わないけれど。つい、下りになるとかっとんでいってしまって、撮り損ねてしまう。たまには、写真の一枚や二枚のシャッターを押す余裕をもちたい。